ある家族の群像モノ/バラ色が目にしみる 吉田まゆみ

いわゆるトレンディドラマが流行っていた頃あたりにヒットしていた『アイドルを探せ』で有名な漫画家/吉田まゆみが描いた、とあるフツーの、平凡な中流家庭のある時期を描いた作品。
吉田まゆみ氏といえば、デビューは古く、たしか1970年代。その頃は、も~ものすごい少女漫画な絵で、目の中に星が光ってる勢いだったのだけれど、徐々に絵が劇画調というか、今の画風に近づいてきた感じがしますね。
で、今回読んだ『バラ色が目にしみる』は、あらすじ紹介には「平々凡々だった父親が浮気!?母親違いの中2の弟と同居することになった営業スマイルが出来ない妙子。。。云々」とあったので、昼ドラ好きな私としては、ドロドロ展開を期待していたのだけれど、弟くんが関わってくる話は全体の1/3くらい。あとは、妙子の恋愛系の話や、年頃の娘の実家暮らしの毎日(嗚呼結婚したい)とか、そんな話ばっかりで少々期待はずれ。
個人的には、もっと弟くんとの日常生活における交流やら、実は1度だけ妻以外のオンナを抱いてしまった過ちを犯してしまった父親への気持ちとか、そういうのを踏まえて愛とか、家族とか、浮気とか結婚とか、をもうすこ~~~し重めに描いて欲しかったし、吉田まゆみ氏にはそれだけのベテラン漫画家としての力量があるのではないかと思う。
つまるところ、もう少し妙子やら、中2の弟くんやら、お父さんやらの心理を掘り下げて欲しかったなと、思うわけです。
心理描写の丁寧さなら、吉田まゆみ氏が70年代から80年代初期に連載していた『れもん白書(1)』とか、『れもんカンパニー 1 (1)』とか、『ロコモーション [少女向け:コミックセット]』とか、『年下のあンちくしょう』の方が秀逸と思います。by 凹


この人、むか~し「アイドルを探せ」をコンプリートしたことがあるので知っとった。女性向け漫画の中では画の雰囲気を受け入れられる貴重な存在やったし、女性の心情が登場する言葉に込められてて、青かった自分には随分参考になったんじゃないやろか。



で、この人の作品をめちゃ久しぶりに読んでみたんやけど....きっとページ足りなかったんじゃないやろか、と思ってしまうような大雑把さを感じてしまったんやけど、もしかして読み返したら感想違うんやろか。
主人公の女性と相手の男性のココろの繋がりとか、家族に巻き起こる問題を受け入れていく?過程とか、描き方が意外にアッサリ。このあたりはたぶん凹と同じ感想のようなので省きます(笑) by 凸


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