軽いタッチで綴るファミリーライフ/うてなの結婚 よしまさこ
かーなーりーの長期連載になっていたベテラン漫画家"よしまさこ"氏の『うてなの結婚』。とある花屋の3姉妹のお話で、最初5巻分くらいはタイトルの通り「うてな」という名前の、少しだけ甘ったれた末っ子の女の子のラブストーリー…というか、恋から結婚へ、そしてファミリーへ。。。という流れが描かれている。やさしいけど少し頼りない建築士のタマゴの大ちゃんと付き合ってる"うてな"の物語。お年頃のジョシなら誰でも共感できちゃうような心の動きと、基本的には暗くならない軽いタッチのお話、それから"うてな"の周りのキャラクターのほんわかさ加減で、読んだ後になんとな~く暖かいキモチになれます。誰が読んでも、それなりに楽しめるお話。
後半は、"うてな"ではなくて、その2人の姉・"あのん"と"イオナ"のお話がメインで、どちらかというと、後半の特に"あのん"の話のほうが、物語性というか、起承転結がはっきりしており、さらに心情描写も細かく深い話になってます。"イオナ"の話は、ある意味ネタというか、ときたまスポット的に入ってくる小話のような感じ(イオナちゃんは、いつだって真剣なんだけどw)。
今発売中の『コーラス』で、この『うてなの結婚』シリーズは最終回だそうで、長きに渡って連載された"あのん"ちゃんの恋愛物語もハッピーエンドで終了して、一安心。
作者のよしまさこ氏は、この期間中にいろいろと人生の転機となるような出来事が起きてしまったということで(噂ですけどね)、休載期間もあったり、作者本人にとっても思い入れが深い作品になったのではないかな~と思います。ちなみに、今月号の『コーラス』では猫のエッセイ漫画を書き下ろし(?)ていて、そちらには大学生の息子さんも登場していて、作者のあたたかな生活が連想されてほほえましく感じちゃいました。って、私、よし信者みたいぢゃん(笑)
とにかく、それほど大きなどんでん返しもなく、ハッピーエンドで終わる話が多い"よしまさこ"氏の漫画は私的には、結構オススメです♪
以前、並行して連載していた『kiss(講談社)』での男のヒトが誰を好きかが棒グラフでわかっちゃう嫌な(?)能力を持った女のこの話「秘密のサッコちゃん」も面白いですヨ。
安心してハラハラどきどきを楽しんでいられる漫画やなぁ。ミョーな世界観で踊らされるでもなく、立ち過ぎキャラがいるわけでもなく。よく考えると変な家族の話なんやけど。興味を引かれるのはあのんさんの話。あ、でもイオナちゃんも好きですよ。
こういう漫画、けっこう嫌いじゃないです。はい。それ以上でもそれ以下でもないですけど。 by 凸