これが本来のこの物語の姿だったのか?/機動戦士ガンダム THE ORIGIN 安彦良和
オタクに行き着かないまでも、オレはガンダムマニアだ。漫画から遠ざかっていた十数年の間も唯一「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」だけは買い続けていた。年齢的にはファーストガンダム世代にあたるし、事実ガンダムとして好きなのは映画化やTV再放送で当時一大ブームとなった初代「機動戦士ガンダム」だ。ガンダムという物語についてはWikipediaのココを呼めば詳しいことまで大体わかると思う(あとは適当にググってな~)
どんな話なの?と聞かれれば「宇宙戦争に巻き込まれた少年達がロボット兵器に乗って生き残るためにドンパチする話」としか説明できないかも。マニアを自称しながら、主人公のアムロや好敵手のシャアなど人物達の物語としてよりもモビルスーツ同士の戦いや戦争そのものに興奮していただけなのかも。実際キャラよりガンプラにハマッたもんなぁ(でもセイラさんは割と好きかも?)。それでも、映画版「機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙篇」をはじめて見た時、アムロが大きく手を広げるブライト達の元へ帰ってゆくラストシーンで感動したのを覚えている。
機動戦士ガンダムは、それまでのロボットアニメと大きく異なる後のリアルロボット路線の代表作だが、それ以前のアニメをよく知らないし見てても記憶にないので比較しようがないのが正直なトコ。それでも大規模な戦争によってもたらされる多くの悲しみや戦いの恐怖、政治的な面を含めた人間同士のの争いを経て、いつか導かれるかも知れない宇宙時代における人類の進化(ニュータイプ論)など、1970年代当時としては画期的で様々な強いメッセージ性を持った物語だったことは誰に言わせても確かだろなぁ(あくまで当時としては、という注釈が付くのは仕方がないかも)。
やっと前置きが終ったところで、この漫画。ファーストガンダムのキャラクターデザインに関わった安彦良和が手掛ける、機動戦士ガンダムの物語を丁寧に描き直す漫画だ。安彦良和はガンダムのキャラデザインの他ヴイナス戦記やクラッシャージョウの監督などのアニメだけでなく、有名な作品への原画参加はもとよりイラストや漫画なども多く手掛けている実力派。機動戦士ガンダムの映画化当時もリメイク部分の原画を担当している(ハズ)。当然画力も素晴らしく、またアリオンなどの作品がそうであるように人間ドラマや社会・組織といった関係性を舞台にした物語の表現もすごく面白い。機動戦士ガンダムの舞台となった一年戦争を中心に、TVアニメ・機動戦士ガンダムの物語を、人物の設定や関係性、エピソード、時代とともに不自然になった登場機器などを見直しつつ、アニメでは描かれなかった第一話前の物語まで含めて丁寧に漫画化されている。
この漫画についての詳しい解説はWikipediaのココに詳しく載っているので興味のある方はそちらを見てもらうとして、なんつーか、単純にSF戦争漫画として面白い。人物の感情の動きはもとより、戦争という異常な状態にある時代の緊張感、地球圏の荒廃がきっちり描かれていて、またアニメがそうだったように、敵味方区別せず連邦・ジオン双方の組織のバックボーンについてや、それら組織に翻弄される一般の人々まで物語の中に込められている。
そして主要キャラクター達の生い立ちや物語の舞台に上がることとなった理由など、到底TVアニメの枠では描ききれない部分までカバーされており、後発作品とは言え「これが本来のガンダムっていう話の姿だったのね」などどつい思ってしまうほど。
ガンダムという名前や環境を使って様々な理由で作られた後発作品(それらを別に否定も肯定もしないが)や、ガンダム世代を狙ったリバイバル商品などのガンダムブーム再来仕掛けに漬かることはなかったけど、この漫画だけは別格や。同じ世代はもちろん、後発作品を含めたガンダムファンの誰もが納得する元祖ガンダムとしての本来の物語の姿がここにあると思う。
もしかる~くオススメするなら「SF好きなら一度読んでみれば?」って感じやろか。 by 凸
※このレビュー、書き直すかも~
追記:
※漫画な。(ひとりマンガ夜話)さんのエントリーに妙に納得。知らないうちに「成長物語」「何かとの対峙や苦悩」「細かな心情描写」などの要素を含まない漫画や映画を避けるようになったのはファーストガンダムの影響なんだろうか、と思ったんやけど...あながち外れてないような。
なんかね。こ~~まわりにガンダムオタクみたいな人種の人たちがいると、逆に引いてしまって、いままでキッチリ真面目に向かい合ったことがなかったのがこの『ガンダム』シリーズ。
物心がついた頃に、たまたまアニメで見ていたのが、なんかくら~い話で、アムロがぐだぐだしている話。その後の記憶だと、主人公クラスの人が死んじゃうとかなんとかで、後味が悪い話(これは、最近凸センパイから、ダブルゼータの話だときいたけど)っつ~印象しかなかったのよね。
おまけに、ちょ~ど、リアルタイムで一番近かったのは、『ガンダムW』。アニメ雑誌などで、鳴り物入りの前評判で期待していたものの、なんとなく自分的にはトーンダウン。だって、美少年が5人出てこられたところで、触手は動かないんだもん。むしろ、その時のメディアミックス戦略だったと思われる『TWO-MIX』という高山みなみのユニットの歌の方にある意味"燃えた"くらいにして。
そんな、潜在的にはガンダムを知りつつも、深く突っ込んでこなかったアタシ。なんだけれども、なんだか、凸センパイがなっが~いレビューを書いたっつ~ことで、この度初めてまともに読んだのがこの作品。安彦良和って漫画家さん、いわゆる"やおい"の元祖「風と木の詩」のアニメ(OVA?)のキャラデザもこなすアニメーターさんだったらしい。
絵柄は、古く、80年代の香りがぷんぷんとするんだけれど、最近の線が必要以上に細く、トーンだらけの漫画なんかよりは、全然重厚で大層イイ。
世界観がどっぷりとある物語らしく、背景だとか、風景だとか、機械たちが動く様子だとかのコマが多いのだけれど、特に気に入ったのは、キャラの感情を、セリフ無しでもしっかりとコマ単独で魅せているところ。いいね。
ストーリー自体は、実際にはまだ少ししか読んでいないので、また改めて追記するかもしれないのだけれど、凸センパイの長語りを聞いたところによると、かなり期待が出来そう。っつーか、シャアが好みのタイプな私って、実はミーハー腐女子だったのねぇ~~。
とはいえ、とっぷり腐女子というわけではない(ハズ)ので、キャラを見ただけで、カップリングを考えたりはしません。あえて言うなら、ここはやっぱり。。。。。とかなんとか書いたら大のホモ嫌いでガンダムマニアの凸センパイに刺されそうなので割愛ってコトで。
数日後に、私の部屋は赤い彗星バージョンになっているかもしれませんw
【アリオン (漫画)】
アリオン (漫画)『アリオン』は安彦良和の漫画作品。プロメテウスをめぐる神話を下敷きにしている。1986年3月、アニメーション映画として公開された。.wikilis{font-size:10px;color:#666666;}Quotation:Wikipedia- Article- History
戦争漫画
戦争漫画戦争漫画(せんそうまんが)は、戦争を主な題材とした漫画作品。実際にあった戦争を題材にし、ある程度の史実性を盛り込んだものは戦記漫画と呼ばれる。1960年代には第二次世界大戦をモチーフにした戦記漫画がブームになったが、今では「日露戦争物