じんわり進む片思い物語/イエスタディをうたって 冬目 景
和製吸血鬼病?ストーリーとも言える愛の物語「羊のうた」で有名な作家 冬目 景のラブコメ&人生漫画。スケッチのようなタッチの絵柄や、日常を撫でるように淡々と進む物語、逐次現れる登場人物達の心の言葉など、独特な色を持つラブコメです。で、新刊がなかなか出ないんやこれが....。
主人公であるフリーターの魚住、高校中退で彼に思いを寄せる元気な少女ハル、そして高校教諭で魚住が大学時代から片思いしているシナコには重い過去がある。そんな登場人物達は、日常に沿って本当にゆっくりと物語の区切りに向けてそれぞれの道を手探りで歩いている、そんな感じのマンガ。これ以外にも何人か登場人物が出てくるんやけど、軸はこの3人の微妙な三角関係で、その関係のバランスは出来事のたびにやんわりと思いが揺れ動いていくわけ。この微妙な変化、子供が読んでもなかなかわからんのと違うかなぁ。大人じゃないと読み取れへんで恐らく。
フリーターしつつこれから先の道を手探りで求める主人公や過去の思いに区切りを付け前に進みたいシナコ、その他新たな道を歩みはじめるそれぞれの登場人物は、互いに影響し合いながらバランスを保っていて、この漫画には彼等の成長ストーリーの要素も少し入ってる。そういう意味では、もしこの漫画に結末としての区切りが訪れても登場人物それそれの物語はそこからもしっかり続いていきそうな気もする。
なんつーか、独特の画といい台詞といいエピソードといい、読むほどにじんわりと残る漫画やなぁ。印象深いのはやっぱり画の雰囲気かな。
今度出る5巻にはハルのフィギュア付きのがあるそうで、そういう層がターゲットやったんかぁと意外な印象。 by 凸
これぞ、もしや、"やまなし、オチなし、イミなし"なのかもしれませんねー。淡々とストーリーが進んでいきます。でも、微妙に心をくすぐるエピソードやセリフが随所に盛り込んであり、ずいずいと続きがきになっちゃう物語。
主人公の青年が段々モテまくるという印象のお話。何でもてるんだろう。。。うーん。青年漫画の不思議か。しかも、4巻かけて誰とも関係がほとんど先に進んでいないように見えるのに、実は少しずつ進んでいるといううまさ。冬目景の漫画力の素晴らしさがみてとれると思う。
個人的には、ハルちゃんが幸せになる結末を待ち望んでいるんだけど、ん~~~~長いっ!いつ連載が終わるんだろう(笑)
とりあえず、もうすぐ発売の5巻の特別仕様版にハルちゃんのフィギュアが突いてくるというニュースには度肝を抜かれましたけどネ。しかも3000円以上て。すごすぎw by 凹