学園ラブコメの王道?/タッチ あだち充
成績不良・だらしない・運動不足と、駄目を絵に描いたような兄/上杉達也、容姿端麗・成績優秀・スポーツ万能とまるでどこかのロボット漫画の出来杉くんをイメージさせるような弟/上杉和也。その2人が、隣に住んでる美少女モテモテ幼馴染/浅倉南のハートを取り合う学園コメディ。
物語の軸は、幼い頃に3人で見た甲子園に魅せられた南を「甲子園」に連れて行くこと。その役割は、必然的に真面目で努力家で、南を一心に想う周囲の期待の的の弟/和也が担うことになる。兄/達也は、南への想いを抱えつつも、和也に王道の道を譲る日々。そんな微妙な三角関係も、ある出来事で永遠に片付かない三角関係になってしまう。。。。
学園野球風味青春モノを手がけたら当たるあだち充の最高傑作、に当たる作品。
そういえば、最近双子俳優/斉藤慶太・祥太、長瀬まさみで映画化されたっけ。
一番の見所は、高校1年の夏にある事件がおきてから、和也から役割を"タッチ"される達也の成長っぷりと、南との関係かな。個人的には、ストーリー初期のただの学園モノだった時とか、達也がボクシング部でがんばっている様子と、南との関係のアタリが好みの話。
って、ただ単に達也萌えってだけかいw
もしかして。
ちなみに、最初1回目の読書では、わりとスムーズに物語に入り込めるのだけれど、冷静になって読んでみると、ぶっちゃけ、同じオンナとしては、
なんなの あの 浅倉南ってオンナ。
という気持ちにならないこともナイ(笑)。by 凹
言うねぇ。媚を売らず一生懸命素直になろうとするひたむきな女に「なんなの あのオンナ」って(笑)
しゃーないだろ、勝手にモテちゃうんだし傷つけたくないわけやし(笑)
スポーツを舞台にしながら分かり易い熱さが伝わってこないスポーツ系ラブコメが多いあだち充作品は、正直あまり好みじゃない。この人、いつもスポーツの勝負事対決と告白と結論というか2人のスタートがぴったり時間軸を合わせて進むことが多い。結末を最後までキッチリとは書かないよな、読み取れるようにはしてくれるけど。それから重要人物が死んだりするし、パンティはよく出てくるがセックスに関するエピソードは殆ど出てこない。ある意味真正面から恋愛描こうとしてないように見えるんやなぁ。当時の少年誌向けってことか。でも最近のでも出てこないような?
一方、画といいストーリーといい言葉といい、少しクセはあるけど安心して読める漫画を描く人だなぁとは思ってる。短編集「ショートプログラム」1 2 は俺的にアタリ作品が多かったし、当然ながらウマイ漫画家なのは確かなんやろな。一度、真正面からオトナのラブコメをキッチリ描いたのを見てみたい、ような気がしないでもないな。あぁ、じんべいってのがあったけど、アレが関係がちと特殊だったような。 by 凸