ブームになったペット系?恋愛/きみはペット 小川彌生
オタな私は、講談社から月2回発行されている『kiss』でほぼ連載初期からず~っとチェックしていたので、松潤や小雪が演じて話題になったドラマよりも、原作派。
ドラマを最初に見た時は、ペットのモモ役が松潤でむしろ驚いちゃったよ。
あらすじは、虚勢を張り続けていた出来る新聞社のオンナ・すみれは、当然ながらストレスフルで癒しのない毎日。憧れのセンパイ蓮見くんと仲良くなっていくものの(後に付き合うに至る)、なにしろ"虚勢を張った自分"が蓮見くんに好かれていると思っている すみれ にとっては、大好きな気持ちはあれど、どうも安らげない。そんなある日、マンションの前に捨てられていた犬人間の男の子・モモを見つけ、ペットとして飼ううちに、自分が本当に安らげる相手はモモだった・・・と気付くのであった。。。という感じ。
もちろん、すみれとモモが結ばれるまでの間には、かーなーりーの年月がかかるわけです。なんたって、すみれちゃんが認めないんだモノ。
ドラマが放送されたことにより、若い女性から年配の女性の間に"ペットブーム"が起こったみたい。確かに、家にああいうキレイな男の子がいて、マッサージしてくれたりしたら、癒されるヨネ。って、フツーだったら、ただのヒモじゃん。
"ただのヒモ"になっていないのは、モモの美貌とダンサーとしての素質ね。いろんな意味で、うらやましー。
ちなみに、小川作品は微妙にお話が同じ世界観というか、前作の登場人物が登場していたりしているので、ファンにはめっぽう楽しめる内容。
小川彌生氏は、現在『kiss』で、『キス&ネバークライ 1 (1)』を、新感覚少女雑誌『Beth』では『わたしのせんせい』を連載中。オタ女子としては、後者が怪しくてオススメです。 by 凹
ドラマ化もされたこの漫画、実ははじめて読んだのは2006年。まさか自分が女性誌掲載のラブコメを、しかも全巻読破しちゃうとはなぁ...と5mmくらい感慨にふける。なんでハマッたんやろと振り返ると、基本は当然、テンポある描かれ方と立ってるキャラクターじゃないだろうか。それに主人公二者の特異な関係が軸になった結果、オレのようなおじさんにとっても最終巻まで飽きない漫画になったんやろな。加えて、オレにとって漫画を選ぶ時の重要なポイントになる「成長する姿」も物語の中で描かれてたと思う。
ちょっとしたブームにまでなった、年下の美男子を「ペット(犬男)」として”飼う”という関係(ヒモが年下美男子だった、で済ましていない)。中盤から終盤に向かうに従って主人公スミレの中で存在感を増す、単なるペットであるはずのモモの”何か”としての存在感。スミレが自分の中の何かに気付かないうちにそれはどんどん大きくなり、そしてモモは世界にまで羽ばたき出そうと益々輝きを増していく。
一番賢く自らの願いを自らの手で手に入れたように描かれているのはモモやと思う。同時に素直に自分を表せないスミレも救済してしまった。なんてヤツだ....。したたかさもあり、計算も出来、行動力もあり、才能に甘えず、努力を怠らない。自分の役割を理解し、甘える時は甘えつつ、楽しませ、楽しみ、外れる時は外れる。周りの環境や自分の人生におけるタイミングというやつまでしっかり考えた上で行動出来るモモは、出来のいいペットどころか、男にとってもある意味理想の姿なのかも。いやまてまて、それは”女性にとって”理想の男の姿やろ。
最終巻の冒頭、主人公に「愛されるってこういうことだったんだ」と言わせてしまうこのマンガ、実は成長させてもらってたのはスミレだったのねぇ、という結果を残しエンディングを迎えるのだ。
※なんかうまくまとまってないけどまぁいいや by 凸