純愛と青春と命のSFストーリー/愛人 田中ユタカ

「愛人」と書いて「アイレン」と読む。この漫画、スゲーです。このマンガの感想賛否両論書いている人けっこうおるねん。ググるとわかるで。
そんなわけでこのマンガ、もう人類が滅ぶんやないかっつーくらいのえらい未来が舞台。海面水位は上がって大都市は沈むわ、人口はがっくし減るわ、あちこちでごついドンパチやってまうわ、でも技術だけはすげー発達してる、んでもって世界はなんとなく滅びそう、そんな感じ。実際、はっきりした世界観の説明があまりなくて謎が多い。大丈夫、謎のままでも十分読める。あ、ちなみに同じ世界終っちゃう系だが最終兵器彼女とは全然ちゃうで。どっちがええ話とは特に言わんけど。
でな、基本的に悲しい話やねん。細かく説明するの面倒だからあとは読んで欲しいねんけど、主人公は意味不明だけどどーしようもない病気で近いうちに死ぬ運命の少年、15歳くらいか。ほんでもってヒロインは役所から支給してもらった、死ぬまでの時間いっしょにいてもらう同じ歳くらいの女の子。末期患者向けの精神的ヘルパーさんみたいなもんか。この子も同じくらいに死ぬようにしてある。これが「愛人(アイレン)」と呼ばれる人達。アイレンは、役所で申請手続きして自分で相手を選ぶらしい。しかも、元々は遺伝子操作やら何やらで違法で作られたりした人間を回収保存して、提供する時に記憶消して人格上書きしてるらしい。この2人、近いうち死ぬ運命。しかも世界も終わりに近付いてるらしいし。この話、救いないやん!なんやねん!でも読み終わると感動!!なんや、マジで。
田中ユタカって作家は元々エロマンガで有名な作家らしいんやけど、和姦と初体験しか描かへんらしい。純やね。誰かてなんやかんや言うてやることやってるやん、そんでも純なことって難しくて大事なことなんやろな。
全5巻やけど地味に人気あるらしく、ブクオフでも全巻揃う。新品も手に入る。表紙やらタイトルやらで店頭買いはハズいなっつーなら通販したらええ。
このマンガ、例えばプラネテスみたいに緻密な背景を感じながら読むより、勢いで読む漫画やと思う。実際、画もそういうタイプ。あんまりツッコミ考えんと全巻一気読みしたら、誰でも少なからず感動するんでないかな、愛やら命やらいろんなこと感じると思うし。何だったら将来息子や娘にも読ましたらええと思う。
そーやなー、長時間のオペラ見て最後に涙する感じ?
オペラなんて見たことないけど(笑


初めて読む"エロ漫画家"と呼ばれるヒトの漫画でした。ちょっと男のヒトに都合のいいように描かれているなあとか、人物がイクルくんとあいちゃんと、もう一人の女のヒトしか区別が出来なかったこともあったけれど、気が付いたら超号泣しちゃってました。
あいちゃんは、私からみると"母性本能のカタマリ"みたいな子かなー。オンナになる前に母になった感じ?だから、1巻であいちゃんがイクルくんをただ抱きしめて受け入れているシーン(非エロ)は、結構共感しちゃった。母性本能、強めのタイプなのかしらん?
とにかく、イクルくんとあいちゃんの終わりが見えている人生をいかに生きるかという姿に心を打たれましたヨ。お約束のようなシーンとかシナリオなんだけど、涙腺をどんどん決壊させてくれました。自分の子供には、この物語の良さがちゃんと理解できるような子に育てたいものですネ。by 凹


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